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府名の由来

中世に「小坂（おさか、おざか）」、「大坂（おさか、おざか）」の名称が登場し、明治に至って「大阪（おおさか）」と改められた。「坂」は上町台地に由来するといわれる。

また、「なみはや」の転訛とされる「なにわ（浪速・難波・浪花・浪華）」の古称も、現在に至るまで大阪市街の別称としてよく用いられている。

上町台地

上町台地（うえまちだいち）とは、大阪市にある丘陵地・台地。北部は中央区の大阪城付近・天満橋の辺りで、南部の住吉区・住吉大社付近に至り、その辺りでほぼ平地になり清水丘を以て終わり、長さ12kmに及ぶ。

摂河泉（せっかせん）

令制国（旧国名）の河内国と和泉国、および摂津国、丹波国の一部で構成されている。摂津国、河内国、和泉国の頭文字を取って摂河泉と呼ばれることもある。

平安時代以前

難波と呼ばれていた

のちの「大坂」が位置する上町台地は、浪速（なみはや、なにわ）、難波（なにわ）、浪花（なにわ）、浪華（なにわ）などと書き表されてきた。

大阪には紀元前700年には生国魂神社(日本列島の神そのものを祀る神社)、その後遣隋使などを送り出した住吉津や難波津が置かれ、国際港として賑わってきた。
また、難波高津宮、難波長柄豊崎宮、難波京（難波宮）と3度も日本の首都が置かれた。

住吉津を管理する住吉大社は大和朝廷直属の社として別格だった。

平安京が置かれてからは、瀬戸内海から淀川を通じて京都に通じる水運の要衝として栄えたほか、北から淀川を渡り南の四天王寺(日本仏教初の官寺)や住吉大社、さらには熊野へと続く陸上交通の要衝としても栄えた。

江戸時代まで

古代より鎮座していた生国魂神社に隣接して石山本願寺が立てられると寺内町として発展した。
信長と本願寺が戦った石山合戦で本願寺が敗れると、1583年には石山本願寺の跡地に秀吉が大阪城を建てた。そして、大坂の町を築いて政治・経済の中心都市となった。

また、大阪を治めていた勢力としては、鎌倉時代には楠木正成が台頭し、室町時代には河内には畠山家、摂津、和泉には細川家が守護大名として入っている。その後は細川氏の家臣である三好家が天下人として君臨した。三好家の後は、信長、秀吉、家康と勢力者が変わっていった。

江戸時代

大阪夏の陣で大阪は一時的に荒廃したが、江戸幕府は大坂を直轄地（天領）とし、河川の改修や堀の開削を行い、八百八橋と言われるほど橋と水路の多い町となった。
こうして水の都として復興した大坂は日本全国の物流が集中する経済・商業の中心地となり、「天下の台所」と呼ばれて繁栄した。

また、堂島の米市場では世界で最初の先物取引が行われた。

こうした経済的な発展に伴って「元禄文化」が大坂を中心に花開いた。
浮世絵草子の井原西鶴や劇作家の近松門左衛門といった文筆家、上田秋成・富永仲基らなど後世の歴史に名を残す多数の優秀な学者を輩出した。また同時代に興った植村文楽軒の芝居を起源とする文楽（大坂人形浄瑠璃芝居）は2009年にユネスコの無形文化遺産に登録されている。
1837年には陽明学者で私塾洗心洞を構えていた大塩平八郎が窮民救済のために大塩平八郎の乱を起こした。幕末、緒方洪庵が開いていた適塾からは福澤諭吉や大村益次郎、大鳥圭介など後の明治を代表する才覚を生み出した。

大阪三郷

江戸幕府の派遣した大坂町奉行支配のもとに北組・南組・天満組の三組に分かれ、総称して大坂三郷と呼ばれた。

堂島米会所

世界初の公設先物取引所

1730年に大坂堂島に開設された米の取引所。
当時大坂は全国の年貢米が集まるところで、米会所では米の所有権を示す米切手が売買されていた。ここでは、正米取引と帳合米取引が行われていたが、前者は現物取引、後者は先物取引である。敷銀という証拠金を積むだけで、差金決済による先物取引が可能であり、現代の基本的な先物市場の仕組みを備えた、世界初の整備された先物取引市場であった。

「坂」から「阪」へ

江戸時代中期には「大坂」と「大阪」が併用され、明治維新後の1868年、新政府はもとの大坂三郷に大阪府を置いた。元来の「大坂」に代わって「大阪」が正式な表記となったのは、このころである。

近代

1868年大阪府、堺県を設置。1869年、南司農局を河内県に改称。その後、河内県を堺県に編入合併。1881年に堺県を大阪府に編入合併する。

経済面では、繊維関係を始めとする軽工業部門を中心に商工業が発展し、「東洋のマンチェスター」や「東洋一の商工地」と称せられ、現在も大企業として存続する企業が勃興しメセナが活発に行われた。この時代は「阪神間モダニズム」と呼ばれる。
そして、1970年に吹田市で日本万国博覧会が開催される。

人口では、東京都に次ぐ第2の人口だったが、2006年に神奈川県に抜かれ第3位である。